エーザイが日本での高用量メコバラミン製剤のALSに対する新薬承認を申請

エーザイ株式会社が2006年より実施していた第2/3相試験の結果を受け、またALSが新たな治療選択肢の必要性が極めて高い疾患であることを考慮し、高用量メコバラミン製剤のALSに対する新薬承認を申請した。有意な有効性発現は高用量投与・発症早期患者に限定的であったため、認可までに時間を要することが想定される。

メコバラミン(開発コード:E0302)は、メチコバール®注射液500µgとして末梢性神経障害およびビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血の適応で既に承認・販売されている。また、内服錠、細粒剤が末梢性神経障害の適応を有している。メコバラミンのALSの病態における作用機序について詳細は解明されていないが、非臨床研究の結果から、神経保護作用、神経軸索再生作用により有効性を示す可能性が示唆されている。

1990年代より厚生科学研究費補助金特定疾患対策研究事業の神経変性疾患に関する研究班において、ALSに対する高用量メコバラミンの臨床研究が実施され、メチコバールとしての承認用量の50倍∼100倍量である1回25mg∼50mgのメコバラミンの筋肉内投与による短期及び長期試験において、高用量メコバラミンがALSに対して臨床効果を示す可能性が示唆された。これを受けた治験が2004年より開始され、2006年からは第2/3相試験が実施されている。

この第2/3相試験は、イベント(人工呼吸器使用または死亡)が発生するまでの期間および日本語版改訂ALS機能評価スケール(ALSFRS-R)の変化量を主要評価項目として、二重盲検によるプラセボ対照試験として実施された。メコバラミン投与群(25mg及び50mg投与群)では、プラセボ投与群に比較してイベント発生までの期間の延長傾向とALSFRS-Rスコアの低下抑制傾向がみられたが、統計学的有意差は確認できなかった。一方、追加解析の結果、ALS発症後12カ月以内に治療を開始した場合において高用量メコバラミンによるイベント発生までの期間延長とALSFRS-Rスコアの低下抑制が認められた。また、血清脂質が低値のケースでも同様の結果が確認された。なお、副作用発現率に投与群間での違いはなかった。

この治験の結果は、2015年4月18日から25日まで米国ワシントンD.C.で開催された第67回米国神経学会(American Academy of Neurology:AAN)年次総会1および2015年5月20日から23日まで新潟市で開催された第56回日本神経学会学術大会2において発表された。

エーザイ株式会社プレスリリース

http://www.eisai.co.jp/news/news201535.html

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